逃すもんか

平岡夫妻

仕事に集中し 勤務を終えて平岡さんたちとは別に史弥さんとクルクル寿司のテイクアウトと途中でサラダやデザートも買って平岡さんのマンションへ。

史弥さんは、平岡さんにお土産とお寿司を渡す。
ダイニングテーブルにテイクアウトを広げ、美桜さんがお味噌を作ってくれたので、私が運んだ。

みんなで昨日も今日も平岡さんちで夕飯だ。

「ゆかりちゃん。高木さんはまだ気づいてなくて良かったね!」

「はい〜なんか芽生ちゃんの反応が怖いです。
あ!史弥さん。会社を辞めるのはいつが良いですか?」

「ああ、オレは8月末までに2人で退社してあとは有給消化にしたらどうかと思ってる。」

「そしてたぶんすぐに入籍ですよね?パスポートを申請しなきゃだし〜」
「うん。」

「いつ、上司に報告したらいいんですかねぇ。」

「どう?平岡さん。」と史弥が質問した。

「婚約と入籍が1週間か2週間ならさ〜入籍してからで良くないかな?」

「そうだな」「なるほど〜」と2人はニコニコ顔になりまた食べ始めた。

「平岡さんがこの社会的な一連の事をこなしたのかと思うと凄いなあって思う。」と史弥が感心していた。

「まぁね〜俺は大人だし〜。」

「え?宇宙人だし?」と史弥が言うとバシっと平岡さんに背中を叩かれた。

「イッテ〜 ハハ。ああ〜フランスならこんな会話もフランス語だよ?」

「じゃあ、史弥。練習だやってみてよ。」

「ヤダよ〜 ハハ。
ジョーダンは練習しないし普通。」

美桜さんも私もクスクス笑った。

史弥さんが言う通り、こんなジョーダンを日本語で言いながら食べるのもあと少しなんだなとゆかりはちょっと寂しく感じた。
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