逃すもんか
そのあとはみんなで東京見物をして、お父さんもお母さんも初めてのスカイツリーに喜んでいた。
売店でもお土産をみて買っていた。
史弥さんのご両親も仲の良いご夫妻なんだなぁとゆかりは思った。
こんな夫婦に私たちもなりたいなあ…
その後は、銀座をぶらぶらしてお茶を飲んで休憩。
東京駅周辺で平岡さんが夕食をご馳走してくれた。
「お父さん、もう後は新幹線ですから飲みましょう!」
「そうだね。じゃあビールにしようかなぁ。母さんも史弥の旅立ちのお祝いだから飲めばいい。」
「じゃあそうしようか」
「じゃあ皆んなビールね!」
平岡さんがたくさんお料理を注文してくれた。
久しぶりにテンション高めの宇宙人になって、史弥さんのお父さんと話しが盛り上がっている。
お母さんは私と美桜さんに話しかけてくれた。
「史弥の会話は少し言葉が足りないから、こっちが理解するまで聞いた方がいいからね。ゆかりちゃん。そして、史弥と結婚してくれてありがとう。
外国暮らしで苦労かけますが、よろしくお願いします。」
「はい。私も頑張ります!」
ご飯を食べ終えて新幹線の改札口まで見送る。
お父さんとお母さんはあのバッグの包みを私に渡した。
「ゆかりちゃん。コレは俺と母さんからのプレゼント。 これからも史弥の事宜しくお願いします」とお父さんとお母さんは頭を下げた。
「え〜。史弥さんの日本最後のバッグ…」
「これは俺らより、ずぅーと史弥が努力してるのを見てきたゆかりちゃんが持つべきだ。ハイ」
「は…い。大事に使わせて頂きます。
ありがとうございます…」とゆかりも涙を流した。
お母さんが頭を撫でてくれて、
2人は改札口から中へ歩いて行った。
振り返り手を振ってくれる。
私も平岡さんも美桜さんも手を振った。
お父さんとお母さんの温かさに感動したゆかりだった。