逃すもんか

平岡さんが帰宅。
「ゆかりちゃん。引っ越し荷造りお疲れさん!
今日は3人でゆっくり楽しもうな」

「はい。明日もまた宜しくお願いします!平岡さん。」

「うん。史弥のおじさんやおばさんにも久しぶりだし、ゆかりちゃんのご両親は初めてだから緊張するな〜」

「大丈夫ですよ。ただのおじちゃん、おばちゃんって感じですから」

「どんなお父さんとお母さん?」

「う〜ん。お父さんは大きいかな。お母さんは私みたいに小さいですね。」

「お父さんは何をされてるの?」

「重機の会社?かな。建設現場で重機を操作する人で、お爺ちゃんの代まで米農家だったから、
自分ちの分は米も作ってますね。でもお米は農協には卸してません。」

「重機の仕事とお米も?」

「はい。でもお米はお母さんも手伝ってます」

「え〜そうだったんだ。」

「はい。だからウチでは野菜はお母さんが自分ち用に作ってます。」

「もしかして、ジャガイモ、人参、大根とか?」

「夏は胡瓜、トマト、茄子、枝豆もかな?」

「春は山菜とか?」

「はい。春のタラの芽の天ぷらは美味しいです。」

「ゆかりちゃんのご両親はすごい働き者なんだね」

「う〜ん?隣近所の家は皆んなそんな感じだから〜」
< 252 / 268 >

この作品をシェア

pagetop