逃すもんか

「今度、田植えとか行ってみたいなぁ〜」

「え〜泥だらけになりますよ。田植えもトラクターでお父さんがチヤッチャッとやってますけど、都会の人は喜ぶのかな?」

「うんうん!トラクターで田植えしたい!」

「じゃあ、明日頼んでみて下さい。
うちは毎年ゴールデンウィークは田植えだから」

「うん!美桜行こうよ。」

「うん!楽しそう〜」

「え〜?何も楽しくないけどなあ」

平岡さんは寄せ鍋を食べながらテンションが上がってるようで、田んぼの事をたくさん聞いてきた。

「平岡さん、私よりお父さんとお母さんが詳しいので質問は明日にして下さいね。」

「は〜い。じゃあゆかりちゃんはお米を買ったりしないんだね。」

「はい。台所に無くなったら、納屋で精米してから台所へ持って行きます。」

「自分で精米…って精米機も納屋にあるの?」

「はい。みんなのウチにもあるし、ない人はコイン精米機で精米します。」

「コイン精米機? え?何それ?」

「田舎には必ずあります。」

「それも田植えの時に見てきて下さいね。」

「うん今検索してみる! コイン…せいまいき
え〜なんかいろいろな精米方法がある…」

「平岡さんの新しい次元の扉が開いたみたいですよ美桜さん。」

「ふふふ。お米星人になっちゃった〜ハハ」

「2人ともひどい!
宇宙人じゃあないし、人間だし!
でも明日が楽しみになってきた。
史弥のウチには田んぼあるかおじさんに聞いてみよう。」

「平岡ママとパパたちで田植えツアーや稲刈りツアーでお手伝いしたら秋に新米ゲット!かもしれませんね!」

「新米……ゆかりちゃん!今年の稲刈りは?」

「あ、時期的にそろそろかもしれません。
明日お父さんに聞いてみましょう!」

「お願いします!」とやる気満々の平岡さん。
< 253 / 268 >

この作品をシェア

pagetop