逃すもんか


「そうかぁ…
ねぇゆかりちゃん。今日は和室で一緒にお布団並べておしゃべりしながら寝ようよ。」

「はい。美桜さんとおしゃべりしながら寝るなんて修学旅行みたい。」

「よし、じゃあゆかりちゃんがシャワー先にどうぞ。私シーツとか用意してくるね。バスタオルは洗面所の棚の好きなの使ってね」

「はい。ではお先にシャワー浴びてきます」
ゆかりは、平岡さんと美桜さんは都会育ちだから田舎の話しはスルーするのかと思ったのに、全然違う。
本当に尊敬できて、信頼できる夫婦だと思った。

観光牧場で史弥さんが、『平岡さんは人を見抜くチカラが人より凄いんだ。』って言ってたなぁ。

そんな平岡さんと出会えたから史弥さんとも結婚できたんだとゆかりは思った。

美桜さんもシャワーから上がって、戸締りしてから和室で夜遅くまでおしゃべりした私達。
美桜さんは、もし私が悩んだりしたらいつでも連絡してねと言ってくれた。
私も頼りないけど、美桜さんの悩みも聞きますと言うと微笑んで頷いてくれた。

知らないうちに寝てしまった私たち。
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