逃すもんか


「美味しいお米で育ったんですが、背は伸びませんでした。ハハ」

「あら、外見じゃあないわ。中身よ〜。
ゆかりちゃんは本当に素直ないい子だもん」と史弥ママ。

「あ、でも…中身もちょっとズレてましてね、お義母さん。プロポーズの話しは聞きましたか?」とウチのお母さん。

「プロポーズは平岡さんのお家でしたと聞きましたよ。」

「この子は昔から話しを勝手に自分の考えで思い込んで失敗するんです。
プロポーズだってねぇ?」

「ハハ。ハイ。勘違いだらけでした。」

「ハハ。俺は史弥からフランスで採用が決まったらゆかりちゃんにプロポーズするって聞いていて口止めされてたんですが、
ゆかりちゃんは史弥が1人でフランスへ行くと思い込んで、体調崩してウチで養生してて…
史弥からのメールや電話も別れ話しをされるのが怖くてウチの美桜に相談してウチにいたんですが、

ハッピー大作戦を考えた俺と美桜は〜

プロポーズしようと思っているのにゆかりちゃんがアパートにいないと心配した史弥をウチに呼び出したんです。
史弥がマンションに来たので、美桜とゆかりちゃんは和室に隠れて史弥と俺の会話を聞いた。
史弥が別れ話しではなくプロポーズすると聞いたゆかりちゃんの誤解が解けて、
プロポーズハッピー大作戦は、大成功だったんです。」

史弥さんのお父さんとお母さんはびっくりして
「ああ、ウチの史弥も言葉が足りないところがあるから〜
この前も話したけど、良くわからない時は、理解できるまでしつこく史弥に聞いてね。」

「はい!」
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