逃すもんか
残業も少ししたオレと細野くん。
ちょっと疲れていたが、ハイテンションの平岡さんが工房の入口まで来ていてそのまま連行された。

いつもの居酒屋を通り過ぎる…
「ちょっと、平岡さん今日はどこで飲むつもりなの?」

「2人にミッションを言い渡す!」と言って歩道で立ち止まった平岡さん。

「あのさ〜。俺の恋愛を応援して欲しいんだよ…」とめっちゃ小声で話した平岡さん。

「え?何? 良く聞こえなかった」とオレが聞き返すと

「俺さ〜一目惚れした子がいるの!その子と付き合えるように応援して下さい。」とオレと細野くんに頭を下げた。

細野くんは、ギョッとした。

「はぁ〜。そんなのいつものようにガンガンアタックすれば良いじゃあないですか!」とオレが言うと

「いや〜、緊張してどうしたら良いかわかんないから……やっとの思いで今日さ、飲みに誘ったら他に2人一緒でも良いならOKって言われて……」と珍しくモジモジしている平岡さん。

「あの〜平岡さんは今までどんな恋愛してたんですか?」

「…俺? 女の子から告白されて付き合ったことあるけど〜長続きしないし、みんな『私の事みてくれないし、好きになってくれないからもう別れる!』って言われてたかなぁ…

「ああ……」
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