逃すもんか
中島さんとも目が合った。

オレは微笑みながら頷いた。
彼女も何かを感じたようで頷き、北野さんと平岡さんを見ていた。

「史弥〜この薪少し湿ってるみたいだから交換してもらいに受付行ってきてもらえる?」

「うん。中島さん、悪いけど手伝ってくれる?」

「ハイ!」

2人で薪を持って受付へ。
事情を説明して薪を交換してもらった。
戻るのに歩いていたら

「あの、大崎さん。さっきのお話なんですが北野さんの事知ってるんですか?」

「え?北野さんの事??」

「あ、知らない…あ、またやらかした…」

「平岡さんの宇宙人のこと? え、何?」

「……北野さんの個人的な事なので…言えません。ごめんなさい。」

「オレの勝手な想像だけど…北野さんは付き合ってた同僚の彼氏に二股とか浮気されたのかな?」

「え、……」とびっくりした顔になった中島さん。

「大丈夫。オレの勝手な想像だからさ…
でも、北野さんが平岡さんを選んだら幸せになれるとオレは思う。
本当に平岡さんは良い人だからさ」

「ハイ…平岡さんは確かにハイテンションで明るいけど、大崎さんのさっきのお話で平岡さんの見る目が変わったというか…」

「うん。平岡さんは本当にテンション高めだけどさ〜
新人研修の時も高卒で工房の職人採用だから、他の同期からは見下されてる感じだったし誰も話しかけてもこなかったんだ。
唯一、平岡さんだけがオレに弟と同じ歳だから親近感湧くんだとか言って話しかけてくれた…

正直…オレは話すの苦手だし、年上の他の同期に話しかけられなかった。

平岡さんは、初めからオレに対する思いやりのない同期たちの本質を見抜いていたんだと思う。

平岡さんは、同期たちともちゃんと付き合ってて、人に不快な感じを与えない人だけどね。
そこはオレなんかより年上なだけあって大人だなぁって思う。」

「北野さんと平岡さんかぁ…」

やっぱり、中島さんは素直な子でいいなぁ。
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