逃すもんか
バーベキューを腹一杯食べたあとはヤギコーナーを回り、売店へ。

売店にはお土産のお菓子や、チーズなどの乳製品、プリンやシュークリーム等の食品。
可愛らしいグッズがたくさん販売していた。

北野さんも、中島さんもグルグル売店の商品を見ていた。

「史弥、車の中でプリンとシュークリーム食べようと思うからこれ買ってくるな。」

「あの、平岡さん。北野さんにアルパカのぬいぐるみをプレゼントしたらどうですか?」

「え〜俺ぬいぐるみ買うの恥ずかしいもん。史弥が中島さんにもぬいぐるみ買うなら…」

「ハァ〜。わかりました。オレも買いますから!」

「よし!じゃあぬいぐるみコーナーに行こう。」

と平岡さんと2人でぬいぐるみのサイズ大・中・小で悩み、
「真ん中をとって中にしましょう。」

「うん。そうだな」と2人で会計で割り勘にした。

弟さんに車を借りたので、俺は気持ちばかりの乳製品のギフトセットも買った。

「お〜さすが お料理男子!」

「違いますよ〜。これは弟さんへ渡して下さい。」

「へ? ウチの弟?」

「はい。車をお借りしたお礼です。」

「あ、弟…ヤバイ。俺もなんか買ってくる。
コレ持ってて〜」とバタバタ売店に戻った平岡さん。

戻ってきた手にはアラパカ大サイズのぬいぐるみを持っていた。
「え〜ぬいぐるみ?」

「うん。可愛いからいいかなぁ〜って」

「……やっぱり、宇宙人」とオレは小声で呟いた。

「え?何?史弥、聞こえ無かった」

「何でもないです。可愛いアルパカちゃんだなぁって思っただけです。」

「そうだろう〜!」とニコニコ顔の平岡さんだった。

オレは心の中で、弟さんがぬいぐるみを捨てないことを祈った。
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