逃すもんか
「あ、コレ兄貴に貰って…
折角プレゼントしてくれたのに、捨てる訳にもいかないし…ハハ。
ところで、兄貴は会社で大丈夫ですか?」
「え? 大丈夫とは?」
「ホラ、だいぶ変わってるから…」
「会社では営業成績は常にトップですよ。
仕事熱心で、思いやりがあって優しいから入社式のあとからは、
高卒で職人採用の同期のオレを気遣ってもらったのがきっかけでずぅーと仲良くしてもらってます。」
「え〜兄貴って営業成績いいの?
あの兄貴が?」
「まぁ、オレも最初は知り合いにいないタイプで戸惑ってたし、よくわからない発言するから宇宙人なんじゃないかって思ったくらいです! ハハ」
「確かに〜、
本当に昔から変わってるんですよ〜」
「でも、昨日ご両親とお会いして、仕事熱心なところや、優しさはラグビー精神が平岡さんの根底にあると確信したんです。」
「ラグビー精神… 確かに兄貴は優しいです。
でも、こんな歳の弟にぬいぐるみってどうなの?
俺のことからかって遊んでるのか?
って一瞬考えるんですけど〜
素直に可愛いから買ったんだとわかるんですよ。
昔から扱いにくい兄貴で…」
「ククク。本当に平岡さんは真っ直ぐな人だからなぁ」