逃すもんか
平岡さんは、本社での仕事の日は必ずオレをメシに誘う。

職人さんたちも弁当を休憩室で食べる人や、外食の人もいたりとマチマチだ。

「オ〜イ。大崎くん。メシ行こう！」と本社屋から工房の方まで来て誘ってくれる。

「大崎くん。平岡くん来たよ〜今日は何を食べに行くの？」
とお弁当持ちの田村先輩が尋ねてきた。

「いつもの定食屋さんで豚の生姜焼きかなぁ…」とオレ。

「田村さん、俺は親子丼かなぁ〜」と平岡さん。

「俺もたまには定食屋さんに行こうかなあ」と田村さんが弁当を見つめていた。

「愛妻弁当を残したらもったいないですし、奥さんが悲しい思いをするので、明日一緒に行きましょうよ」と平岡さんに説得されと。

「だよなぁ〜。ウチの奥さんが早起きして作ってくれた弁当だもんな！
じゃあ、今のうちに明日は定食屋へ行くって連絡するな。」

「ハイ。明日は３人でいきましょう」と平岡さんは明るく職人さん達にお辞儀をしてオレと定食屋さんへ向かった。
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