逃すもんか
その後、串に刺してある肉と野菜も焼き上がった。

観光牧場で食べたより美味かった。

庭には椅子やテーブルにベンチもあり、バーベキューの時は白石家と本郷家の椅子やテーブルも持ってくるんだと話してくれた。

誠二さんは、オレらの2倍は食べている。
ビックリしたが、アスリートはこのくらい食べるのかぁと感心した。
「アレ?誠二さんの串の肉…」

「あ、オレは鶏肉なんです。」

「史弥、アスリートは食事管理も大変なんだわ」

「ああ。そうかぁ」

「じゃあ、北野さん、中島さんに手伝ってもらいたいんだけどいい?」

「「ハイ!」」っとキッチンへ平岡ママに付いて行った2人。

平岡さんは不安そうな顔をしていた。

「兄貴、きっと大丈夫だよ」

「う…ん」

「どうしたの平岡さん」

「お袋が北野さんに変な事言わないか不安だ」と平岡さんがポツリ呟くと、

「え?兄貴は北野さん狙いなんだ〜 」と誠二さんはニヤニヤ。

「あ、誠二。お袋に言うなよ!」

「言わないよ。約束する」

「うん」
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