逃すもんか
史弥とゆかりは大きな書店に入る。

「オレさ、欲しい本買ってくるからこの辺の雑誌のコーナーで待っててくれる?」

「ハイ。」

ゆかりは史弥が語学コーナーへ向かっていたので、ちょっと不思議に感じた。

雑誌を見てたら、大崎さんが戻ってきた。
「お待たせ、つき合わせて悪かったね。
欲しかった本はなかった〜。
店員さんに調べてもらったけどなかったから、
会社の近くの本屋へ明日の仕事帰りに寄ることにするわ。ゴメンな。」

「いいえ、大丈夫です」

「中島さんは何か買い物は?
ここの駅は周りにたくさんお店があるから、いろいろと揃うし。」

「大崎さんは良くこの駅まで買い物に来るんですか?」

「いや、本当に久しぶりだよ。
オレが就職した頃、都会のお店や電車の路線もわからないからさ〜
平岡さんがオレを東京見物や買い物に付き合ってもらった時に、何回か来たきりかな。」

「へぇ。あ、私は特に買い物はありませんよ。」

「じゃあ、コーヒーショップに入る?パフェとかなら〜、アッチのお店がいいのかな?」

「パフェ! パフェのお店でもいいですか?」

「ククク。じゃあ行こう。」
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