放課後の眠り姫
そう言い、足早にこの場を去ろうとした珊瑚の背中に向かって莉生の声が降ってくる。
「言い忘れてた。クラスLINEに僕たちがお姫様と王子様役を交代すること、送っておいたからね」
「ハアッ!?」
昨日はキスのことで頭がいっぱいになり、スマホなど一度も見ていなかった。慌ててかばんの中から珊瑚がスマホを取り出すと、何十件もの通知が来ている。
『僕と珊瑚ちゃん、王子様役もお姫様役を交代します!衣装のサイズは直したので、問題ないです!』
そう昨日の夕方に莉生が送っていた。それに対し、他のクラスメートや同じクラスの友達の反応は様々だ。
『ええ〜、絶対王子役は珊瑚でお姫座役は莉生くんの方がいいよ!』
『二人が話し合って決めたのなら、まあそれでいいんじゃない?』
『台詞をちゃんと覚えてるならいいんじゃね?』
『絶対変えない方がいいだろ!四季とか姫って感じじゃねぇし!』
昨日、自分の知らないところでこんなことが起きていたのか、と珊瑚は項垂れる。スマホを一度は見ておくべきだったと思っても、時すでに遅し。
「言い忘れてた。クラスLINEに僕たちがお姫様と王子様役を交代すること、送っておいたからね」
「ハアッ!?」
昨日はキスのことで頭がいっぱいになり、スマホなど一度も見ていなかった。慌ててかばんの中から珊瑚がスマホを取り出すと、何十件もの通知が来ている。
『僕と珊瑚ちゃん、王子様役もお姫様役を交代します!衣装のサイズは直したので、問題ないです!』
そう昨日の夕方に莉生が送っていた。それに対し、他のクラスメートや同じクラスの友達の反応は様々だ。
『ええ〜、絶対王子役は珊瑚でお姫座役は莉生くんの方がいいよ!』
『二人が話し合って決めたのなら、まあそれでいいんじゃない?』
『台詞をちゃんと覚えてるならいいんじゃね?』
『絶対変えない方がいいだろ!四季とか姫って感じじゃねぇし!』
昨日、自分の知らないところでこんなことが起きていたのか、と珊瑚は項垂れる。スマホを一度は見ておくべきだったと思っても、時すでに遅し。