放課後の眠り姫
「とりあえずみんな納得してくれたみたいだから、よろしくね。可愛いお姫様」
莉生はニコリと笑い、近付いてくる。またキスを唇にされるのかと珊瑚は身構えたものの、莉生は優しく手を取った。
「えっ?」
珊瑚が戸惑っていると、反応を楽しむかのように莉生は珊瑚の手の甲に口付けを落とす。王子が姫君にするように……。
顔がまた赤くなった珊瑚に、莉生は言った。
「ほら、また可愛い顔をしたよ」
その時、自分がどんな顔をしていたのかなど珊瑚には知ることはできない。だが、近くにある莉生の顔は相変わらず目をギラつかせ、どこか妖艶な笑みを浮かべていた。
その後、登校してきたクラスメートたちに、珊瑚と莉生は「いきなり役を交換なんて、どうしたの!?」と質問攻めにあった。それを何とか誤魔化しながら答えた後、珊瑚は逃げるように教室を飛び出した。キスのことが頭にこびりついたように離れず、相変わらず鼓動は高鳴ったままだ。
莉生はニコリと笑い、近付いてくる。またキスを唇にされるのかと珊瑚は身構えたものの、莉生は優しく手を取った。
「えっ?」
珊瑚が戸惑っていると、反応を楽しむかのように莉生は珊瑚の手の甲に口付けを落とす。王子が姫君にするように……。
顔がまた赤くなった珊瑚に、莉生は言った。
「ほら、また可愛い顔をしたよ」
その時、自分がどんな顔をしていたのかなど珊瑚には知ることはできない。だが、近くにある莉生の顔は相変わらず目をギラつかせ、どこか妖艶な笑みを浮かべていた。
その後、登校してきたクラスメートたちに、珊瑚と莉生は「いきなり役を交換なんて、どうしたの!?」と質問攻めにあった。それを何とか誤魔化しながら答えた後、珊瑚は逃げるように教室を飛び出した。キスのことが頭にこびりついたように離れず、相変わらず鼓動は高鳴ったままだ。