放課後の眠り姫
囁くように言われ、珊瑚の胸がキュンと音を立てる。その音は、癒された時に感じるものとは全く違うものになっていた。

「これで、三年一組によるダンスの発表を終わります。ありがとうございました!」

司会者の声と共に、大きな拍手がステージの客席から響いてくる。いよいよ本番だ。珊瑚の胸に緊張が走る。演劇部に所属しているのだが、本番前は緊張してしまうのだ。手が小さく震えていく。

「大丈夫。きっとうまくいくよ」

震える珊瑚の手にふわりと莉生の手が重なる。手の温もり、莉生の強い眼差しに、珊瑚の緊張は少し解れた気がした。

「ありがとう」

また胸が高鳴る。そんな中、スポットライトが輝き、拍手が鳴り響くステージへと、珊瑚たちは歩いて行った。








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