猫の仮面は苦しくて【番外編】
もしかすると……………
「若、いきますよ」
僕たちのお世話約の人に手を引かれる
最後にみた、海の顔は、何かを決心した顔だった
僕がもっと強かったら、海を守れる?
こんな場所にいなくてもすむ?
そうだ。こんな、悪い組にいなくてすむ
「当主様、戦いましょうよ」
当主様の家来たちが僕の相手をする
その瞬間、僕の口角が無意識にあがった
殴られ、蹴られ
そして、僕も殴る
その繰り返し
たったそれだけのことなのに、僕の体は悲鳴をあげる
でも………
「海を守るんだ……」
僕の生きている意味は、海を守る。
たったそれだけなんだ