猫の仮面は苦しくて【番外編】

もしかすると……………


「若、いきますよ」


僕たちのお世話約の人に手を引かれる


最後にみた、海の顔は、何かを決心した顔だった


僕がもっと強かったら、海を守れる?


こんな場所にいなくてもすむ?


そうだ。こんな、悪い組にいなくてすむ


「当主様、戦いましょうよ」


当主様の家来たちが僕の相手をする


その瞬間、僕の口角が無意識にあがった


殴られ、蹴られ


そして、僕も殴る


その繰り返し


たったそれだけのことなのに、僕の体は悲鳴をあげる


でも………


「海を守るんだ……」


僕の生きている意味は、海を守る。


たったそれだけなんだ

< 4 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop