猫の仮面は苦しくて【番外編】
だけどさ……
「なんで来ちゃったかな……………海」
僕が、世界で一番大好きで守りたい
だから、全部僕が戦ったのに
これじゃあ意味ないじゃん……
「兄ちゃん、ごめんなさい」
多分それは、約束のこと
昔話した約束
『海、僕がこの部屋をでていったときは、危ないから部屋のなかにいるんだよ』
そう、約束した。
だけど、もう海も嫌だったんだろう
部屋をでていったと思えば血だらけで帰ってくる僕が
もう見てられなかったのだろう
「ねえ、兄ちゃん、これあげる」
そういいながら、海が渡してくれたのは、海がずっと大事そうにもっていたペンダントだった
「っ!なんで……」
「兄ちゃん、もっといてよ」
もらっちゃダメだ。もらったらもう、海はきっと帰ってこなくなる
「兄ちゃん、海ね、兄ちゃんと次会うときはたくさん、お話しして、猫ちゃんもいっぱいいて、お外もいってみたいなぁ」
海、なにいって……
「海ね、悪い人ダイッキライ。嘘つく人も人を殺そうとする人も」
海が嫌いなら僕も嫌いだよ…
「だからさ、兄ちゃん、悪い人がいなくなるような世の中をつくろうよ!」
海、そうだね。悪い人を倒さなきゃ……
「兄ちゃん、次あったときもまた、兄ちゃんの弟になれるかな?」
なれるよ。きっと
「兄ちゃん、僕の代わりに悪い人をちゃんと倒してね」
その言葉を聞いたあとに僕は意識がもうろうとし、倒れた