霊感御曹司と結婚する方法
予定よりだいぶ時間が、押してしまっていたから、吉田さんはとっくに先に帰っていた。私と村岡さんは、食事をして帰った。
いつもと違ってデートみたいだし、食事中は、彼の私を見る目は、いつになく優しいけど熱っぽいし、見ている視線の先が、下心がいっぱいな感じだし、これは帰ったら、するしかないのかなあとは思った。既に別れを決めた関係だから、純粋に期待するのとは違うけれど。
でも、いざその時になったら、意外にも彼は尻込みをする様子をみせた。
彼は、就寝前の姿でリビングのソファに寝そべってタブレットで読書をしていた。普段は、この時間はお互いの陣地に引きこもって接触しないようにしているから、やっぱり彼は待っている。
私は彼の足元から、傍にそろっと立って、彼の身体に自分の影を落としてみた。彼は寝そべった姿のまま、私に来るように言った。彼の身体の上に乗れっていうから、それで、足元から彼にまたがって、上からしなだれかかる感じで寄り添った。
もうちょっと、マシな恰好にならないかなあと不満ではあったけど、私は、彼の身体の上で自分の身体を落ち着けた。
彼が黙ってキスを求めてきたから、応じた。この体勢でするキスだからそれなりにいやらしくなるし、そういうものだと思うけど、彼は不服そうに言った。
「何だよ……? グイグイくるよな?」
「……そうかな? ダメですか?」
「ダメじゃないが」
「ここで私が来るのを待っててくれたんじゃなかったんですか?」
「まあ、……そうだ。でも、君とは、キスは二回目だよな?」
「さっき、帰りの車の中で思いっきりされました」
「そうだったか?」
「はい」
「いや、それはいい。でも今は、あんまりむやみに来られても、俺が引き返せなくなる」
(何がいいんだろう? それに、この期に及んで引き返す?)
と、思う。
「実はそのつもりじゃなかったとか?」
「そうじゃないが、先に確認しておきたいことがある」
「何ですか?」
「友達としてなのか?」
そう言われて、私は少し面食らってしまった。
「この間、私が言ったこと、気にしていたんじゃないですか。やっぱり」
「そうだ。今の俺は、君との関係を割り切ることはできない。たとえ、別れに納得していてもだ」
「そんなこと言われても。……じゃあ、やめておきますか?」
私がそう言うと、彼は慌てて言った。
「いや。どうしても、君がそういうつもりで、いどみたいというのであれば、俺もそのつもりで応じてもいいが……」
(何それ?)
と、全力で耳を疑いたくなるセリフだ。
いつもと違ってデートみたいだし、食事中は、彼の私を見る目は、いつになく優しいけど熱っぽいし、見ている視線の先が、下心がいっぱいな感じだし、これは帰ったら、するしかないのかなあとは思った。既に別れを決めた関係だから、純粋に期待するのとは違うけれど。
でも、いざその時になったら、意外にも彼は尻込みをする様子をみせた。
彼は、就寝前の姿でリビングのソファに寝そべってタブレットで読書をしていた。普段は、この時間はお互いの陣地に引きこもって接触しないようにしているから、やっぱり彼は待っている。
私は彼の足元から、傍にそろっと立って、彼の身体に自分の影を落としてみた。彼は寝そべった姿のまま、私に来るように言った。彼の身体の上に乗れっていうから、それで、足元から彼にまたがって、上からしなだれかかる感じで寄り添った。
もうちょっと、マシな恰好にならないかなあと不満ではあったけど、私は、彼の身体の上で自分の身体を落ち着けた。
彼が黙ってキスを求めてきたから、応じた。この体勢でするキスだからそれなりにいやらしくなるし、そういうものだと思うけど、彼は不服そうに言った。
「何だよ……? グイグイくるよな?」
「……そうかな? ダメですか?」
「ダメじゃないが」
「ここで私が来るのを待っててくれたんじゃなかったんですか?」
「まあ、……そうだ。でも、君とは、キスは二回目だよな?」
「さっき、帰りの車の中で思いっきりされました」
「そうだったか?」
「はい」
「いや、それはいい。でも今は、あんまりむやみに来られても、俺が引き返せなくなる」
(何がいいんだろう? それに、この期に及んで引き返す?)
と、思う。
「実はそのつもりじゃなかったとか?」
「そうじゃないが、先に確認しておきたいことがある」
「何ですか?」
「友達としてなのか?」
そう言われて、私は少し面食らってしまった。
「この間、私が言ったこと、気にしていたんじゃないですか。やっぱり」
「そうだ。今の俺は、君との関係を割り切ることはできない。たとえ、別れに納得していてもだ」
「そんなこと言われても。……じゃあ、やめておきますか?」
私がそう言うと、彼は慌てて言った。
「いや。どうしても、君がそういうつもりで、いどみたいというのであれば、俺もそのつもりで応じてもいいが……」
(何それ?)
と、全力で耳を疑いたくなるセリフだ。