霊感御曹司と結婚する方法
事業説明会
「今から食事、行かないか? 先日のバーでごちそうしてもらったお礼がしたい。あの夜は、高くついただろう? 僕も散々飲んだ気がするし」
「……気になさらないでください。私も楽しかったですから」
「今日はそのためにここに呼んだんだ。ここの中にある店舗で、今の話の続きもしたい」
「話の続き、ですか?」
「昼食はまだじゃないかな?」
昼食どころか、朝も食べていない。昨晩の夕食も。
実は、不眠に加えて食欲不振もあって、まともに食事ができていない。食べても吐いてしまうことも多かった。体にも心にも悪いとわかっているけど、そう思えば思うほどプレッシャーになってよけいに食べられなくなる悪循環だった。眠ることだってそうだ。眠らなきゃいけないと思えば思うほど眠れなくなる。
「せっかくですがお食事は、遠慮します。実はずっと食欲がないんです。本当です」
「だったら、今から行く店はちょうどいい。僕の祖父さんが死ぬ三日前でも食べられた店の料理だ」
どういう例えだろうか。
でも、今の自分がとても不健康だってわかったら、このへんてこで強引な話も無かったことにしてくれるかもしれない。そう思ってついて行くことにした。
連れていかれた店は、超高級そうな老舗の和食のお店だった。ホテル内の店舗だから、ランチタイムも営業はしているが、気軽にランチにというレベルの店ではなさそうだ。
そんな店で出された料理に手をつけないわけにはいかない。今の私には、かなりのプレッシャーだった。ただ、心配はよそに、運ばれてきた料理はどれも美しく彩られ、そして食欲に溶け込むように美味しそうに目に映った。
「どうかな?」
「とても美味しいです」
本当だった。久しぶりに食べ物の味を感じた気がした。
「食欲がない時は、本物のうまいものに限る。胃に負担をかけない程度にだが。ゆっくりでいいし、無理はしないでほしい」
「……ありがとうございます」
「僕も、久々に来たかったんだ。さっきも言ったが、僕の祖父の代から懇意にしている店の系列店だ。本当は夜の時間帯に来たかったんだけど、それでは流石に君が萎縮してしまうだろう?」
「十分しています。……あの、お話って」
「僕のこれから始める事業の事だ。聞いてくれるかな?」
「わかりました……」
「ありがとう」
彼は微笑んだ。そして話し始めた。
「……気になさらないでください。私も楽しかったですから」
「今日はそのためにここに呼んだんだ。ここの中にある店舗で、今の話の続きもしたい」
「話の続き、ですか?」
「昼食はまだじゃないかな?」
昼食どころか、朝も食べていない。昨晩の夕食も。
実は、不眠に加えて食欲不振もあって、まともに食事ができていない。食べても吐いてしまうことも多かった。体にも心にも悪いとわかっているけど、そう思えば思うほどプレッシャーになってよけいに食べられなくなる悪循環だった。眠ることだってそうだ。眠らなきゃいけないと思えば思うほど眠れなくなる。
「せっかくですがお食事は、遠慮します。実はずっと食欲がないんです。本当です」
「だったら、今から行く店はちょうどいい。僕の祖父さんが死ぬ三日前でも食べられた店の料理だ」
どういう例えだろうか。
でも、今の自分がとても不健康だってわかったら、このへんてこで強引な話も無かったことにしてくれるかもしれない。そう思ってついて行くことにした。
連れていかれた店は、超高級そうな老舗の和食のお店だった。ホテル内の店舗だから、ランチタイムも営業はしているが、気軽にランチにというレベルの店ではなさそうだ。
そんな店で出された料理に手をつけないわけにはいかない。今の私には、かなりのプレッシャーだった。ただ、心配はよそに、運ばれてきた料理はどれも美しく彩られ、そして食欲に溶け込むように美味しそうに目に映った。
「どうかな?」
「とても美味しいです」
本当だった。久しぶりに食べ物の味を感じた気がした。
「食欲がない時は、本物のうまいものに限る。胃に負担をかけない程度にだが。ゆっくりでいいし、無理はしないでほしい」
「……ありがとうございます」
「僕も、久々に来たかったんだ。さっきも言ったが、僕の祖父の代から懇意にしている店の系列店だ。本当は夜の時間帯に来たかったんだけど、それでは流石に君が萎縮してしまうだろう?」
「十分しています。……あの、お話って」
「僕のこれから始める事業の事だ。聞いてくれるかな?」
「わかりました……」
「ありがとう」
彼は微笑んだ。そして話し始めた。