大正浪漫 斜陽のくちづけ
 やんわりと舌を絡ませたかと思うと、軽く歯を立てられ緩急のついた攻めに、凛子は悶えた。
 相楽の大きな手の中に入ると、自分の胸がより小さく幼く見える。

 相楽が半身を起こし、今度は凛子の両足に手をかけた。
 ふくらはぎに軽く歯を立てられると思わず声が漏れた。なんてことのない刺激にも全身が敏感に反応してしまう。

 太ももをきつく吸われると、肌に痕がつく。下穿きに触れられ、首を振る。

「灯りを消して」
「そうだな。今夜くらいは姫様の言うことを聞いておこうか」

 おどけたように言い、灯りを消すとすぐさま凛子の下履きを足から抜いた。もう太ももまで濡れている。
 足の間に触れた相楽が笑った。

「かわいいな」

 左手でそこに触れながら右手でやんわりと胸を揉まれると、たまらなくなって足を閉じようとしたが、そこへ相楽が体を入れて阻んだ。
 膝を割られ、秘部が晒されると、顔を背け目を閉じて羞恥に耐えた。

「んっ……」

 中に入ってきた指が内部を開くように進み、外側にある敏感な粒を同時に擦られ、その刺激の強さに思わずのけぞると、相楽が薄く笑った。
 すでに濡れたそこに相楽が唇を這わせた。

 事前に新妻の心得を書いた作法の本を姉から貰い読んだが、そんなことをするとは書いていなかった。
 作法などというものが通じるような行為ではないのかもしれない。
 あまりの刺激の強さと恥ずかしさで、逃げようとしても身体を強引に固定されてしまう。

 静かな部屋で淫らな水音と、凛子の吐息が響く。
 感じたことのない甘い痺れが、全身に広がっていく。

 舌と歯が神経の塊のような場所を刺激し、吸い上げる。充血し膨らんだ花芽が執拗に転がされ、体内を指で探られると、耐えられるわけもなく、すぐにその時は訪れた。

「あっ、あっ」

 膝をがくがくと痙攣させ、あっけなく果ててしまう。
 相楽がうっとりとした表情で凛子を見つめ、そのまままだ絶頂の余韻の残る秘部に口づけた。

 敏感なままのそこをいたわるように、いとおしむように顔をうずめていた。
 凛子は肩で息をしながら、半分虚脱に近い状態でそんな相楽をぼんやりと見ていた。

 溢れた体液を一滴残らず舐めとると、相楽が凛子の手を自身に触れさせた。
 その大きさと熱さに驚いて、目をやると、薄暗い部屋でも禍々しいほどの存
在感があるのがわかる。
 正視するのをためらうような形状で、すぐに凛子は目を逸らした。

 あんなものを受け入れるなんて信じがたい。
 本能的に逃げ出したくなり、身を捩ったがすぐに腰を押さえつけられ、逃げ場をなくしてしまう。
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