桃色-桃絵sideー
だから、私も碧斗の方を向いてこう問うことにする。

「ねぇ、恋って何色だと思う?」

自分でもなぜ急にそう問いたくなったのか分からない。


碧斗も疑問に思ったようで、

「急にどうしたんだ?」

と、聞いてきた。


でも、分からないのは私も同じ。


「ううん、べっつに~?気になっただけ~」

にこっと笑って私がその言葉だけ答えると、ため息をつきそうな様子で、碧斗が私を見た。


ん?

これは、どういうことだろう?

普段、碧斗が私のことをじっと見ることなんてあんまりないのに。


でも、それを今聞いたらいけない気がして、だからといって目をそらすこともできなくて。


私たちの間に沈黙が流れた。
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