純・情・愛・人
『これから逢えるか?』

土曜日の夕方。お父さんがスマートフォンに送ってきた“晩メシいらない“のメッセージを、覗いたかのような宗ちゃんからの電話。

迎えに来てくれた車でマンションに直行し、食事はデリバリーで好きなものを注文する。

「店だと落ち着けなくてな。ここが一番ゆっくり出来る」

わたしを連れ歩かないのが何より安全だからだ。

「うん。ここなら宗ちゃんを独り占めできるし」

エアコンを効かせた暖かいリビングで、ホテルスタイルのバスローブを羽織っただけ。ガラス天板のテーブルに届いた料理を並べると、宗ちゃんはグラスを一つ用意して贈ったシャンパンを開けた。わたしには口移しでしか飲ませないと笑んで。

ベッドに行く前にそのままソファで隅々まで愛された。グラスの中の泡のように上へ上へと弾け、昇り詰めた。

「・・・もっとだ」

言われるまま口でもどこでも宗ちゃんを受け止め、わたしの全部を差し出す。奪い尽くされるほど満たされる。

「俺を見ていろ」

喘ぐたび視界が揺れる。
間近で見下ろす宗ちゃんの顔。
荒い息を吐き、獲物に喰らいついた野生の眼。
男の眼。

刹那。理性と意識が振り切れた。宗ちゃんしか知らない場所に、その牙を突き立てられて。
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