純・情・愛・人
ひとけのない廊下。迷わずリビングへ。きっと待っている。心臓が早鐘を打つ。
「目が醒めたか」
バスローブを羽織っただけの宗ちゃんが、ソファからおもむろに視線を傾ける。
扉を背に、温度の消えた底無しの眼差しに射貫かれて、体ごと固まった。
ブラインドで遮られた窓の向こうはもう陽が落ちたのかすら、分からない。余計な物をなにも置かない殺風景にダウンライトが淡く灯り、暗闇じゃないことが唯一の救いにも見えた。
「宗ちゃん、大地は?あの子はどこ?」
わたしはどうされてもいい。気の済むようにしていい。焦燥がせり上がる。子供の気配がまるでしない。
まさか有馬の家に?血の気が引いた。床に貼り付いた足が無意識に剥がれ、宗ちゃんに詰め寄っていた。
「答えて・・・!大地をどうしたのっっ」
「どうしもしない。・・・薫の返事次第だ、これからはな」
心を削ぎ落としたような声に内蔵から凍っていく感覚。目の前にいるのは。“宗ちゃん”を捨てた有馬宗吾。
「死ぬまで俺のものでいろ。それ以外、赦すつもりはない」
あっと思った時には、視界が反転してソファに組み敷かれていた。頭の上で両手首を縫い止められ、空いた手にボタンが外されていく。
身動きができないまま、はだけた胸の一番弱いところを甘噛みされて、か細い悲鳴が漏れた。
「目が醒めたか」
バスローブを羽織っただけの宗ちゃんが、ソファからおもむろに視線を傾ける。
扉を背に、温度の消えた底無しの眼差しに射貫かれて、体ごと固まった。
ブラインドで遮られた窓の向こうはもう陽が落ちたのかすら、分からない。余計な物をなにも置かない殺風景にダウンライトが淡く灯り、暗闇じゃないことが唯一の救いにも見えた。
「宗ちゃん、大地は?あの子はどこ?」
わたしはどうされてもいい。気の済むようにしていい。焦燥がせり上がる。子供の気配がまるでしない。
まさか有馬の家に?血の気が引いた。床に貼り付いた足が無意識に剥がれ、宗ちゃんに詰め寄っていた。
「答えて・・・!大地をどうしたのっっ」
「どうしもしない。・・・薫の返事次第だ、これからはな」
心を削ぎ落としたような声に内蔵から凍っていく感覚。目の前にいるのは。“宗ちゃん”を捨てた有馬宗吾。
「死ぬまで俺のものでいろ。それ以外、赦すつもりはない」
あっと思った時には、視界が反転してソファに組み敷かれていた。頭の上で両手首を縫い止められ、空いた手にボタンが外されていく。
身動きができないまま、はだけた胸の一番弱いところを甘噛みされて、か細い悲鳴が漏れた。