純・情・愛・人
戸惑いつつ向かいに座ると、朝倉君がニンマリ口角を上げた。
「園部は会うの初めてじゃね?ウチのお嬢な」
毛先を巻いてハーフアップにしたダークブラウンの髪が揺れ、『お嬢』と紹介された彼女が淑やかに頭を下げた。
「有馬琴音と申します」
確か広くんと同い年だった。アラフォーどころか、二十代でも通りそうに艶やかな肌。目元と口紅だけのナチュラルメイクなのに華がある、本当に綺麗なひとだった。
場に合わせ、上品なシフォンブラウスをカジュアルに着こなしているのも、センスの良さがうかがえた。ああ、このひとが宗ちゃんの奥さんなんだと、あまり驚きはなかった。・・・それだけの時間が経った。いつの間にか。
「園部・・・薫子です。初めまして」
「突然申し訳ありません。広己に言っても取り合ってくれないと思ったので、朝倉に薫子さんと会わせてくれるよう頼みました」
聞き心地の悪くないトーンで、真っ直ぐにこっちを見つめ、琴音さんは言った。
「食事が終わったら少しお付き合いいただけますか」
わたしと彼女の間にあるものは一つだけ。ぎこちなく頷けば、作っても綺麗な微笑が返った。
「それまで、広己のやんちゃな話でもしましょうか」
「園部は会うの初めてじゃね?ウチのお嬢な」
毛先を巻いてハーフアップにしたダークブラウンの髪が揺れ、『お嬢』と紹介された彼女が淑やかに頭を下げた。
「有馬琴音と申します」
確か広くんと同い年だった。アラフォーどころか、二十代でも通りそうに艶やかな肌。目元と口紅だけのナチュラルメイクなのに華がある、本当に綺麗なひとだった。
場に合わせ、上品なシフォンブラウスをカジュアルに着こなしているのも、センスの良さがうかがえた。ああ、このひとが宗ちゃんの奥さんなんだと、あまり驚きはなかった。・・・それだけの時間が経った。いつの間にか。
「園部・・・薫子です。初めまして」
「突然申し訳ありません。広己に言っても取り合ってくれないと思ったので、朝倉に薫子さんと会わせてくれるよう頼みました」
聞き心地の悪くないトーンで、真っ直ぐにこっちを見つめ、琴音さんは言った。
「食事が終わったら少しお付き合いいただけますか」
わたしと彼女の間にあるものは一つだけ。ぎこちなく頷けば、作っても綺麗な微笑が返った。
「それまで、広己のやんちゃな話でもしましょうか」