純・情・愛・人
軽自動車がやっと二台置ける敷地に建つ、こじんまりした築二十五年の家。今はお父さんと二人暮らしの我が家。

「ただいまぁ」

自分で玄関ドアの鍵を開け、手洗いを済ませて居間に直行。

建設会社に勤めるお父さんは月に二回、土曜休みがある。車があったから今日はそうらしい。朝の十時過ぎ。まだ布団の中かと思いきや、エアコンでそこそこ温まった台所続きの和室のこたつから生えてる物体が。

「おー、朝帰りか?宗ンとこかー?」

「お父さんに宜しくって言ってた」

「たまにはオレとも吞めって言っとけー」

「こないだのお正月、おじさんも一緒にさんざん呑んだでしょー?」

「そんな昔の話、覚えてねーよ」

座布団を折って枕代わりに寝転がるお父さんは、テレビから目を離しもしないで豪快に笑った。

「ご飯は?食べる?」

「あー、雑煮でいーや」

お餅がいくつ残っていたか記憶を引っ張り出しながら、着替えに自分の部屋へと階段を昇るわたしだった。




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