純・情・愛・人
そんなのは。
それでも。
宗ちゃんがわたしを求めるなら。
理由はいらない。
『薫だけだ』
その言葉だけ信じて。
わたしは宗ちゃんのそばにいなくちゃ。
約束だから、独りにしないって・・・!
息を吸う。弱っているところに付けこむなんて狡い。
「・・・広くんじゃわたしを幸せになんて、できない」
突き放した。
「宗ちゃんみたいに優しくないし、甘えられないし、全然ちがう・・・っっ」
わたしを閉じ込める腕に一瞬、きつさが増した。広くんが傷付いた匂いがした。
「偉そうに言っても宗ちゃんには敵わないんだから・・・!」
声を振り絞った。泣きそうだったのを堪えた。広くんはちゃんと優しいし、宗ちゃんと比べて見たことは一度もなかった。
これで気持ちも冷めていくだろう。宗ちゃんに盲目になっている人形だと蔑めばいい。悪いのは宗ちゃんじゃない、馬鹿はわたしでいい。
「・・・そうかよ」
感情の消えた低い呟き。
「お前はどうしたって俺を見ねぇんだな」
最後にわたしの心臓を直に抉って。広くんは立ち上がり、出て行った。
それでも。
宗ちゃんがわたしを求めるなら。
理由はいらない。
『薫だけだ』
その言葉だけ信じて。
わたしは宗ちゃんのそばにいなくちゃ。
約束だから、独りにしないって・・・!
息を吸う。弱っているところに付けこむなんて狡い。
「・・・広くんじゃわたしを幸せになんて、できない」
突き放した。
「宗ちゃんみたいに優しくないし、甘えられないし、全然ちがう・・・っっ」
わたしを閉じ込める腕に一瞬、きつさが増した。広くんが傷付いた匂いがした。
「偉そうに言っても宗ちゃんには敵わないんだから・・・!」
声を振り絞った。泣きそうだったのを堪えた。広くんはちゃんと優しいし、宗ちゃんと比べて見たことは一度もなかった。
これで気持ちも冷めていくだろう。宗ちゃんに盲目になっている人形だと蔑めばいい。悪いのは宗ちゃんじゃない、馬鹿はわたしでいい。
「・・・そうかよ」
感情の消えた低い呟き。
「お前はどうしたって俺を見ねぇんだな」
最後にわたしの心臓を直に抉って。広くんは立ち上がり、出て行った。