愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

南の腰に回された手も、頬に添えられた手も、あたかもそこに愛があるように感じてしまうのは情熱的に交わされる口づけのせいなのか。
油断したら最後、深みにはまって抜け出せなくなるのを本能的に感じた。

心を強く持ち、友情の枠をはみ出ないように必死にもがく。
そんな葛藤など知らない碧唯は、不作法に南の舌を弄び、とろけるほどの熱を植えつけていく。

こんなのダメ。

恋と友情の境界線を越えるたびに抗うが、彼の甘く濃厚なキスから逃れられない。

青々と生い茂る木々の隙間から差し込む月明かりだけが、錯綜する想いに翻弄される南たちを見ていた。
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