愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
友情で結ばれた碧唯と、南は今夜一線を越える。
そのあとにどんな展開が待ち受けているのか、想像もできない。
願わくば、この友好的な関係が揺らぎませんように。
そう祈る心の裏側で正体不明の感情が蠢いた気がしたが、それにかまわず小さく頷く。
碧唯は口の端にわずかに笑みを浮かべ、南の唇を塞いだ。
表面を擦り合わせ、柔らかさをたしかめ合う。優しく、それでいて情欲に満ちたキスが徐々に南の体の体温を上げていく。
絡められる舌は時折硬くすぼめて口腔内に抜き差しされ、それがあたかも男女の交わりのシーンのようで南を欲情させる。
火がついたように体の中心が熱い。
碧唯の淫らなキスに浮かされ、思考が白く霞んでいく。唇に与えられる刺激が快楽を生み、鼻から抜ける吐息まで卑猥になる。
いつの間にかパジャマは脱がされ、下着も取り払われ、碧唯の唇と指先が全身を這っていた。
堪えきれずに零れる嬌声は艶めき、それに掻き立てられた碧唯から快感を与え続けられる。
白く霞んだ頭ではなにも考えられず、ただ悦楽に身を任せるだけ。
「南、かわいい……」