愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
繰り返される言葉は、この状況を盛り上げるためのエッセンス。碧唯の指先と唇だけで幾度となく背中を反らし、艶めかしい声は切れ切れになる。碧唯の手中で乱れに乱れた。
いったい何度、快楽の果てを見させられただろう。
呼吸を弾ませ、ゆらゆらと霞みの中を彷徨っている南の視界に、Tシャツとハーフパンツを脱ぎ去った碧唯が映り込んだ。
ほどよく隆起した胸から続くウエスト付近は薄っすらと割れ、惜しげもなく引きしまった体を晒している。
(……碧唯くんって、どこもかしこも完璧なんだ)
その中心に反り立つ彼自身を目の当たりにし、思わず喉を鳴らした。
再び南を組み敷いた碧唯が、キスをしながら熱い高ぶりで南の中に分け入ってくる。
「――んんっ」
最初こそ圧迫感に息を詰まらせたが、十分に解されたそこは碧唯を難なく受け入れた。
隙間なくぴったりと繋がった瞬間、例えようのない多幸感に包まれる。
それは南が初めて感じたものだった。