愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

「碧唯くん……」


自然と漏れた声が溢れる感情で震える。

このまま離れたくない。
強くそう願うと同時に、はっきりとわかった。

(……私、碧唯くんが好き)

ずっと隠れていた想いが今、くっきりと南にその姿をまざまざとさらけ出す。

友達のはずだった。
気心の知れた、気兼ねなくいられる友人だった。

その関係性が変わったきっかけは、紛れもなくふたりが選んだ結婚の形だ。
改めて碧唯の人となりを知り、惹かれはじめていると心のどこかで気づいていたくせに、誤魔化して目を逸らして、見えないふりをしていた。

でももう無理。
繋がった体が、正体を暴いてしまった。


「碧唯くん」


体を揺らされながらもう一度呼んだ声には、先ほどよりも想いが強く滲む。


「……南」
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