愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

ほうれん草とチーズのオムレツにベーコンと玉ねぎのトマトスープ。さっと作れる簡単メニューが完成した頃、目覚めた碧唯がキッチンにやって来た。


「もう起きてたのか。もっとゆっくり寝ててもよかったのに」
「お、おはよう」


ドキッとしつつ、笑顔で平静を装い振り返る。
想いを封印したくせに目を見られず、彼の胸元あたりに視線をとどめた。


「……眠れなかったんだな。目が赤い」


心臓が飛び跳ね、肩がビクッと弾む。


「あ、ううん、そういうわけじゃないよ。……玉ねぎ切ったからじゃないかな、たぶん」


あまり詮索はされたくない。
適当に誤魔化して話を逸らす。


「あ、あのね、ご飯作ってみたんだけど食べる?」
「もちろん」


キッチンに入ってきた碧唯が、キッチンカウンターに向かう南の横に立った。
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