愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

*****

タクシーを飛ばし、南は実家にやって来た。
途中、彼から何度も着信があったが、冷静に話せる気がしなくて出られなかった。


「ただいま」


自分で鍵を開けて玄関に入ると、母の雅美がびっくりして出迎えた。


「亜矢が帰ってきたのかと思ったわ。南だったのね」
「うん、ちょっと寄ってみたの」
「仕事の帰り? とにかく中にいらっしゃい」


雅美にリビングに誘われ、バッグを置いてラグの上にペタンと腰を下ろす。テーブルに冷えた麦茶が出された。


「こんな時間まで仕事なんて大変ね。少し痩せたんじゃない?」


顔を覗き込みながら隣に座る。


「そうかな。体重は変わらないよ」
「そう? まぁあまり無理はしないでね」
< 183 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop