愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
なんとなく重々しく聞こえたため、嫌な予感が頭をかすめた。
まさか離婚を考えているのではないか。
とはいえ、やっぱり話したくないと拒絶はできない。ふたりが結婚に向き合うための話し合いは必要だ。
「それじゃ明日、マンションで待ってる」
明日は残業せずに定時で切り上げて帰ろう。
もしかしたら最後の晩餐になるかもしれないが、どうせならご馳走を作って碧唯に食べてもらいたい。
(でも、どうか終わりに向かう話し合いになりませんように……)
そう祈りながら碧唯との通話を切った。