愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
南を優しく組み伏せる手とは裏腹に、熱の籠った眼差しは射るように強い。目だけでなく、碧唯の全身から煽情的なオーラが漂ってきた。
南を跨いだまま体を起こし、着ていたTシャツを一気に脱ぎ去る。途端に匂い立つような色香が溢れ、それで窒息してしまいそうになる。
「南も脱ごうか」
「あ、ちょっ、ちょっと待って」
ルームウエアの裾を持ち上げた碧唯の手を押さえる。
「待たないと何度言ったらわかる? 俺はもう我慢の限界。見ればわかるだろ?」
いったいなにを?と思ったそばから、碧唯が目線を下げる。それにつられて視線を下ろしていくと、そこにハーフパンツを持ち上げるほどの力強い〝もの〟の存在を見つけてしまった。
いけないものを見てしまったようで、咄嗟に目を逸らす。
「南を抱きたくてしょうがない。こんな状態になるから、毎晩ロマンジュで時間を潰すしかなかったんだ」
「……どういうこと?」
「初めて抱いたあと、こっそり泣いてただろ」