愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

「碧唯くん、紳士なんだね」
「今頃知ったのか」
「私、バカね」


友情の影に隠れていた自分の気持ちにもっと早く気づいていたら……。

後悔に包まれそうになったが、そうではないと考えなおす。


「碧唯くんと結婚できてよかった」


今こうしてふたりでいられるのは、そんな回り道があったから。
遠回りしたからこそ大切なものに気づいた。


「もう逃がさないからな」
「うん。私も絶対に碧唯くんを離さない」


鼻先を擦り合い、微笑み合う。

唇が触れ合ったそばから甘い吐息が零れ、堪えきれずに侵入してきた碧唯の舌はすぐさま南のそれを探し当てた。
ぬるりとした感触が南の体を粟立たせ、甘く痺れさせる。
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