愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
上顎をくすぐっては舌を絡ませ合い、どんどん上がっていくキスの温度。それに夢中になっているうちに碧唯に服を脱がされ、気づいたときにはなにも纏っていなかった。
「今夜は最後までしてね」
この前のように中途半端で終わりじゃなく、碧唯と最後まで。南の今の願いは、それただひとつだ。
「そんなかわいいこと言うなよ」
鼻先を軽く食み、耳元でそっと囁く。
「心配するな、何度でも最後までしてやる。南がもう嫌って言って、腰が砕けても止めてやらない」
「そんなに?」
「そんなに」
「南がそのくらい好きなんだ。観念しろ」
碧唯の〝好き〟が南の胸を撃ち抜く。それは途方もなく強力で、とても甘美な言葉だった。
「観念します。でも私も碧唯くんが大好きだって忘れないでね」
「絶対に忘れない。死んでも忘れない」