愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
「んーっ、おいしい」
舌触りがきめ細かく、しっとりとしながらふわふわな触感がたまらない。
「うわぁ、やわらかーい」
「うまっ」
千賀子と小西も大絶賛だ。さすが人気店だけある。
「だけどせっかくなら今日、瀬那さんにも会いたかったな」
千賀子が残念そうにパンケーキをナイフで切り分ける。
「そうだよな。突然出張になって残念だったな」
小西の言う通り、碧唯はただいま絶賛出張中である。古巣のイタリアに昨日飛び、帰りは三日後の予定になっている。
「ここだけの話だけど、小西くんはどうなの?」
「どうって? なんの話?」
生クリームを唇に付けたまま、小西が千賀子を見る。