愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
「南の結婚。どう思ってるの?」
いったいなにを聞くつもりなのか、小西と一緒に南も千賀子を見つめた。
「高校からの友人の結婚式だぞ? 瀬那さんだって大事な先輩だし、おめでたい以外になにがある?」
まったくその通りである。
南は深く頷いた。
「えー? 本当にそう? 心から祝福できる?」
「なんだよ、なにが聞きたいんだ?」
疑いを深める千賀子に小西は苛立ちを隠せない。
「そうだよ、千賀子。どうしたの?」
「南をずっと好きだったでしょ?」
小西は飲んでいたホットコーヒーを噴き出しそうになった。
慌ててナフキンで口元を拭い、千賀子を恨めしげに睨む。
「な、なんだよ、それ」
「そうよ、千賀子。変なこと言わないで」