愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

いきなりなにを言いだすかと思えば、小西が南を好きだなんてありえない。


「だって、いつも南の話を私に聞きたがったじゃないの。それって南を好きだからでしょう? 男の気配はあるのかとか、好きなヤツはいるのかとか」


そういえば以前、千賀子が南にもそんなことを言った記憶がある。
そのときは笑い飛ばして流したけれど。


「そ、それは……」


小西は急に狼狽えて目を泳がせた。
あからさまに挙動不審、怪しさたっぷりだ。


「瀬那さんはイタリアだし、この際ここで潔く認めて、大々的に失恋しちゃったほうがいいよ? いつまでも引きずるよりスパッと諦めもつくから」
「ちょっと千賀子ってば……!」


手を伸ばし、フォークを握る千賀子の腕を掴んで揺する。
突然変な空気にしないでほしい。

すると小西はナイフとフォークを置き、踏ん切りをつけたように真顔になった。
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