愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
「だいたい俺にはちゃんと好きな女がいるし」
「え? そうなの?」
それはまったくの初耳だ。
「相手はぜーんぜん気づいちゃいないけどな」
小西は両肩を上げ下げしておどけた表情をした。
「友達?」
「うん、まぁそうだな」
「私も知ってる人?」
南が質問を重ねていく。
さっきは千賀子が主導権を握っていたが、今度は自分だとインタビュアーに徹する。
「よく知ってる」
「えっ、誰だろう……」
一緒に考えようと視線を千賀子に移してハッとした。
南がよく知っている、小西とも共通の友人といったら千賀子しか考えられない。
「もしかして」
「千賀子だよ」