愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
〝だけど梅雨だよ〟と南の目が言っている。
どこもかしこも雨降りだと言いたそうな顔だ。
「雨雲は全部繋がっているわけじゃないんだから、日本のどこかにきっと晴れ間はあるはずだ。もちろん南の体調次第ではあるけれど」
生理痛で辛いというのなら無理強いはできない。
「どうする?」
小首を傾げ、迷う南の答えを待つ。
碧唯にしてみれば雨だろうが晴れだろうが、南と一緒ならまったくもって関係ない。
「そうね、行く。晴れ空を探すなんて、ちょっと楽しそう」
曇っていた南の顔に光が射したようになる。
「決まりだな」
碧唯は勢いをつけてベッドから下りた。
身支度を整えて車に乗り込み、地下駐車場からいざ地上へ。