愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
「高級ホテルみたい」
案内されて中に足を進め、エレガントな家具や内装に感心する。
彼によれば大使館から用意された部屋であり、職員が代々使っているという。
「何部屋あるの?」
「リビングとダイニングのほかにベッドルームと書斎がある」
ざっと案内されたどの部屋もホテルライクで生活感があまりない。綺麗に保たれているのは週に一度入るハウスクリーニングのおかげだそうだ。
「パスタでいいか?」
碧唯がグレーのエプロンを身につけてキッチンに立つ。それだけで画になってしまうのは、容姿の素晴らしさゆえである。
「本場イタリアのパスタね! 楽しみ~」
「味の保証はしないぞ」
パントリーから取り出した乾燥パスタを大きな鍋に投入した。