愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
「うん。料理男子なんて知らなかった」
ただのおぼっちゃまではない。エリートなうえ料理もできるとは。
どうしてこれまで恋人と長続きしなかったのか不思議でならない。
早速器に盛り、ダイニングテーブルへ並べる。碧唯はスパークリングワインを開け、グラスに注いだ。
「まずは長旅お疲れ様」
「お疲れ様でした。あとお料理もありがとう」
グラスを持ち上げて互いを労い、口をつける。芳醇な味わいと喉を抜けていく炭酸が爽快だ。
「いただきます」
両手を合わせてフォークを手に取った。
口に入れる前から、いい香りがそのおいしさを連想させる。
「ん、おいしい!」
グアンチャーレの旨味がトマトソースに溶け込み、チーズが濃厚さをプラスする。味のバランスが絶妙だ。