愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
(私、すごい人と友達だったんだ。そんな人と結婚するっていうんだから……)
人生なにが起こるかわからないものだ。
「ちなみに明日のパーティーはイタリアの外務・国際協力大臣主催のものだから」
「えっ、そんなフォーマルな場に私が行って平気?」
仕事関係のパーティーだと覚悟はしていたが、さすがに大臣主催ではレベルが違う。
日本大使館の職員に招かれたものだと安易に考えていた。
「そのためにローマに連れてきたんだから当然」
「そっか、そうだよね。……でもちょっと心配だな」
大臣主催のパーティーでは招待客も相応の人たちなのは容易に想像がつく。そんな中に突入して、碧唯のパートナーとして上手に振る舞えるだろうか。
「イタリア語は全然話せないけど平気?」
「英会話は大丈夫だろう?」
「うん、そこまで得意ではないけど」
片親のせいで学習能力が低いと言わせたくないと、母が塾に通わせてくれたおかげだ。英会話もその一環で習い、就職してからもしばらく教室に通っていた。