愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
「ええっ!」
思わず一歩後退して彼から離れた。
「子づくり目的の結婚するんだからあたり前」
「ま、まだ結婚してない」
さらに一歩離れて自分の体を掻き抱く。
「そんなあからさまに嫌がらなくてもいいだろう。子どもが欲しいんじゃなかったのか?」
彼に言われてハッとした。
(そうだった……!)
発言したのは自分のくせに、すっかり忘れて拒絶するのはあんまりだ。
「ごめんなさい」
でもまさか、今夜早々そんな関係に発展するとは考えていなかった。
入籍して夫婦になってからだろうと思っていたため、体を重ねる覚悟はまだできていない。
暗黙の了解というか、その点をしっかり話さなかったため、碧唯とは認識の違いがあるみたいだ。