愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

数日間とはいえ、碧唯をずっとソファで寝かせるわけにはいかない。


「婚約者がひとりでホテルに泊まっていたら不自然じゃないか」
「……それもそうだね」


早速不仲なのかと良くない噂を立てられては、南がローマに来た意味もなくなる。
夫婦仲を疑われるような事態は彼のためにも避けたい。


「気にするな。ソファの寝心地も悪くない」


碧唯はそう言って寝室の収納から毛布と枕を取ってきた。


「それじゃ、お言葉に甘えてベッドを使わせていただきます」


ペコリと頭を下げて上げたそのとき、碧唯が南の肩を引き寄せた。
瞬間、チュッと音を立てて額に彼の唇が触れる。


「……っ!」
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