愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

「どこかおかしなところがある? なおすから教えて。このドレスがダメなら、向かう途中で買うから少し早く出たいな」


事前にメッセージアプリで写真を見せたが、実物はまたべつの印象なのかもしれない。碧唯が想像していたものと違ったか。

立ち上がった碧唯が南の前に立つ。


「ヘアスタイル、アップにしたほうがよかった? それともメイクに華やかさが足りない?」


三つとも碧唯の考えるレベルに到達していない可能性もある。
いや、それ以前にパートナーの選択を間違えたと後悔しているかもしれない。


「ね、碧唯く――」
「よく似合ってる……」


気のせいだろうか。碧唯の眼差しが見たこともないくらいに艶めいた。

(やだな。そんな目で見られると恥ずかしいんだけど)

眩しいものでも前にしているかのように見つめられ、急に落ち着かなくなる。
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