学校1人気の先輩は私だけを溺愛する。〜番外編〜
「ただいま……」
「あ、愛奈。帰ってきたんだ……帰ってこなくていいのに」
お姉ちゃんからの暴言に泣きそうになる。
「美里ちゃん〜!お菓子あるわよ!」
「本当⁈やった〜!」
「……あ、愛奈のはないわよ」
分かってた。だけど……悲しい。
嫌われてるってことくらい。分かってる。
「おはよう……」
シンッ……としたリビングに入り、キッチンに向かう。
ご飯……作らなきゃ……。
確か今日はお姉ちゃんがお弁当って言ってた……。
ご飯とお弁当を作っていると、お姉ちゃんとお母さんが起きてきた。
「あ、おはようございま……」
「愛奈〜ジュース〜!」
私の声をかき消すようにお姉ちゃんの声が入る。
「あ、分かった……」
ここでは逆らえない。
家や、食べ物……衣食住があるだけで十分だ。贅沢は言えない。
「はい……」
「愛奈、コーヒー」