なぜか推しが追ってくる。
知ってるつもりでいた
▽
恭くんに好きだって言われた。
初恋の神山ミズキとしてではなく、正真正銘現在のわたし、武藤瑞紀のことが好きなのだと言ってくれた。
しかも、まさかキス……まで……
「ああああああああああああああああああああ!!!!」
思い出すだけで顔が熱くなる。
家に帰ってきたわたしは、一人だけなのをいいことに、リビングの床を端から端までゴロンゴロン転げまわって悶えていた。
だけど本当、頭がぼんやりしすぎてあまりに現実味がないというか。
まさか夢落ちとかあったりする?
とりあえず頬っぺたをつねってみる。うん、今は痛いから現実。
「ああああもう本当どうしよううううう」
またゴロンゴロンと転がる。
──その時、突然リビングのドアが開いた。
「うわびっくりした! みーちゃんいたの? てか何してるの?」
「ぎゃっ……お母さん……」
帽子にサングラスという、いかにもお忍び芸能人的な格好をしてリビングに入ってきたのは、テレビを見ていれば知らない人はいないであろう国民的大女優・神山愛子。わたしの母親である。
恭くんに好きだって言われた。
初恋の神山ミズキとしてではなく、正真正銘現在のわたし、武藤瑞紀のことが好きなのだと言ってくれた。
しかも、まさかキス……まで……
「ああああああああああああああああああああ!!!!」
思い出すだけで顔が熱くなる。
家に帰ってきたわたしは、一人だけなのをいいことに、リビングの床を端から端までゴロンゴロン転げまわって悶えていた。
だけど本当、頭がぼんやりしすぎてあまりに現実味がないというか。
まさか夢落ちとかあったりする?
とりあえず頬っぺたをつねってみる。うん、今は痛いから現実。
「ああああもう本当どうしよううううう」
またゴロンゴロンと転がる。
──その時、突然リビングのドアが開いた。
「うわびっくりした! みーちゃんいたの? てか何してるの?」
「ぎゃっ……お母さん……」
帽子にサングラスという、いかにもお忍び芸能人的な格好をしてリビングに入ってきたのは、テレビを見ていれば知らない人はいないであろう国民的大女優・神山愛子。わたしの母親である。